第1部
人が増えすぎた人口を宇宙に移住させるようになった宇宙時代。時は流れ、数多くの戦争によって地球圏は疲弊していた。コロニーに住む宇宙移民者達は地球圏を捨て、遥か銀河へと旅立って行ったが、地球圏に残った人間達は、地球連邦軍とコロニー軍に別れ、戦争を繰り返していた。最後の戦いから二十年余り。休戦という形によって一応の平和が訪れたが、地球では反連邦組織ラスティアースの台頭により、紛争の火種がくすぶっていた。
オーストラリア、辺境で暮らすミリスの元に連邦軍の軍人が現れる。調査にやって来たというメスリー、クリエ、エディの三人は、基地から脱走した旧大戦時のモビルスーツ、ジェニューインとそれを操るカーゾンを追っていた。食料の引き渡しの為、彼らと同行したミリスは、戦闘に巻き込まれ、ガンダムに乗って敵を撃退する。
一度は別れたものの彼らを追って再び戦闘に遭遇し、ラスティアースの指導者、イレーネ・ネリスに捕らえられる。
メスリー達の司令官であるブレナン大佐とネリスは来るべき戦いに備えて、旧大戦の遺物、サテライト・キャノンを使おうとしていた。辛くも逃げ出したミリス達だったが、ジェニューインに襲撃され、仲間の一人であるアリアを失ってしまう。
宇宙へと脱出したミリスは宇宙基地ヴァルハラで、ガンダム・フェイクのオリジナルである、ダス・ゼルプストを託される。
サテライト・キャノンを葬るため、地球に降下したミリスとメスリーは、エディと合流して基地を襲撃する。だが、サテライト・キャノンを作動させたネリスによってブレナン大佐と基地は消滅し、何とかネリスを撃退したものの、今度はジェニューインによってサテライト・キャノンが再び放たれようとしていた。
ミリスはこれを破壊し、メスリーの手を借りて、何とかジェニューインを倒す。
これは2002年8月から10月にかけて執筆したオリジナル小説である。小説家を目指して本格始動するための、前哨戦として執筆したもので習作ということになっている。
元々は6、7年前くらいから考え始めた、いろんなガンダムがわらわら出てきて対決するというGガンに似た(あれほどぶっ飛んだものではなく)ストーリーだったが、当時別に進めていた(ガンダムと別物の)ストーリーと合わせて設定を直し(本当は火星が舞台だった。ラスティアース等、一部にその名残がある)今の形になった。
本来、こういったジュニア小説モドキを書くつもりは無かったが、やはり俺ならば書いておかなければならないと、半ば衝動に駆られて執筆したもの。よって科学考証、SF考証は全くしていないし、長編の標準的枚数である400字詰原稿用紙で350枚前後に収めるために、節をかなりカットしている。そのため、第二部で一応完結するとはいえ、説明不足気味であることは否めない。
もう少しましなものを書きたかったと思うが、まだまだ修行中のため、腕はまったく追いついていない。そのあたりは次回作以降で挽回したいと思っている。
今までは次回作の執筆は未定だったが、初相互リンク相手であるキンケドゥ氏と、その他多くのガンダム小説作者に敬意を表して、現在、第2部の執筆に入った。例によっての見切り発車であるが、第1部よりももう少しマシに仕上げたいと思っている。なお、連載形式はとれないので(俺の執筆形態として、推敲作業は一通り書き終えてから行う)、発表はしばらく先のことになるが、気長に待って頂きたい。
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