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ファースト・ガンダム 幻の4クール・ストーリー
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よく知られていることだが、機動戦士ガンダムは当初は4クール(52話)で製作される予定だった。全43話にまとめられるにあたって、いくつかのエピソードが削除されている。ここでは、4クール版のストーリープロットを紹介する。なお、これらはLD−BOXのライナーノーツを元に、Kaiがまとめたものであるため、若干ニュアンスが違う部分があるかも知れないが了承していただきたい。また、本編未登場、或いは異なる用語、名称が多くみられる。その変遷を辿ってみるのも一興かも知れない。
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第22話から第25話
第26話から第30話
第31話 ザンジバル追撃
第32話 強行突破作戦
第33話 激戦 ドザムの強襲
第34話 戦火に咲く 赤い花
第35話 ソロモン 激進
第36話 陥落 ソロモンの雄
第37話 バロムの罠
第38話 テキサスの攻防
第39話 シャアとセイラ
第40話 シャリア・ブル 激進
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第41話 ルナツー防戦
第42話 グラナダへの道(シャアの敗北)
第43話 グラナダ陥落
第44話 エルメスのララァ
第45話 遭遇!ララァ
第46話 デギンの降伏
第47話 ジオン最終兵器を探れ
第48話 ジュピター船団を撃つ
第49話 ソーラ・レイ パートT
第50話 ソーラ・レイ パートU
第51話 ジオン殲滅 パートT
第52話 ジオン殲滅 パートU
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用語解説
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第22話から第25話
ジオン軍最強部隊、マ・クベ指揮するヨーロッパ方面軍を殲滅するため、地球連邦軍はオデッサ作戦を開始した。
エルラン・レビル将軍の指揮で両軍は正面から激突する。
ホワイトベースは正規軍に組み込まれ、後方攪乱に任務についていた。
しかしスパイであったエルランによってホワイトベースは窮地に陥り、それを助けるためにマチルダの命が失われた。
マチルダはその直前、ガンダムのパワーアップパーツ、Gパーツをアムロに託していた。アムロはGパーツを駆使してジオンと戦った。
エルランをも倒して、連邦軍はオデッサ作戦に勝利した。マ・クベは戦線を離脱してキシリアのもとに向かった。
第26話から第30話
大西洋に展開する潜水艦部隊マッド・アングラー隊。その指揮官としてシャア中佐は復活する。
オデッサ作戦の終了とともに、ホワイトベースは改修され、宇宙での作戦に向かって発進しようとしていた。
だが、シャアの攻撃は執拗に続く。
スパイとして送り込まれたミハル・コリズンとカイ・シデンとの悲恋。マチルダの恋人だったウッディ中尉の奮戦。そしてカツ・レツ・キッカたちと共に戦ってゆくアムロもまた、戦いの本当の意味を考えるようになる。
南米の地下洞にある連邦軍の大工廠で改修を受けたホワイトベースは、同時にスレッガー・グレン中尉という新任の将校を迎える。
ミライはスレッガーに惹かれていき、セイラはシャアが復活したことを知って動揺する。
シャアの連邦軍本部攻撃は失敗に終わる。ホワイトベースは特別要撃隊の一艦として任務に着く事となった。シャアはドズルから離れ、キシリアの直属となっている。
第31話 ザンジバル追撃
ホワイトベースは南米を発進する。マッド・アングラー隊のシャアはキシリアと連絡を取り、ホワイトベース追撃を開始する。
新型戦艦ザンジバルがドム、ビグロ、ザクレロを搭載し、シャアを迎える。
ブライト中尉はホワイトベース追撃は衛星軌道上のムサイだけだろうと楽観していた。
アムロは戦いの恐怖よりも、トクワン等の目の前の敵が、何故こうも執拗に狙ってくるのかということが気になっていた。
ミライはスレッガーという心の平安を見つけ出した。だが、セイラは逆にふさぎ込んで、そして自分自身に苛立っていた。そんなセイラの姿にブライトは興味を覚える。
ホワイトベースは参謀本部の命令で、他の連邦軍出撃のための囮として出動させられていた。
第32話 強行突破作戦
トクワンのドム部隊を蹴散らすが、この戦いによってガンダムは手傷を負った。
ガンダムを収納したホワイトベースは衛生軌道巡航に入る。
ブライトの予測通り、降下してくるムサイ三隻と後方からはザンジバルが迫っていた。
一方、連邦軍の大気圏脱出部隊テァンム隊は、ホワイトベースの陽動作戦によって無事にルナ・ツーへと集結していた。
ホワイトベースはガンキャノン、ガンタンクさらにスレッガーが乗るGパーツを前面に押し立て、ムサイを突破する。
ザンジバルのシャアはムサイを打ち破るホワイトベースの力に戦慄を覚える。
ガンダムはこの突破作戦の間にグス及びゴッグ・タイプを殲滅させた。
この作戦の最中、アムロはセイラからパイロットになれるかという相談を受ける。シャアと接触するにはパイロットになるしかないと思ったのである。
そんなセイラの姿を見てアムロは訝しがる。
一方、ブライトはミライがスレッガーに寄せる気持ちを知って嫉妬する。
消耗したホワイトベースはルナツー集結を諦め、サイド6に逃避する。同じ時、ドズル隊が発進する。
第33話 激戦 ドザムの強襲
ドズル麾下コンスコン軌道隊長はホワイトベース追撃に向かう。重巡チベ、二隻のムサイ。それにはドムとアッザムを合わせたような白兵戦モビルスーツ、ドザムを搭載していた。
コンスコンとシャアは反目しあっていた。ドザムの性能を誇るコンスコンに対して、シャアはドズルの部下に会うことさえ気が引けた。シャアはキシリアの許可を得て、ある計画を実行をすべくサイド6に向かった。
中立サイド6に潜入したホワイトベースは、南極条約によってコンスコンでも手を出せない。しかし短気なドズルの命令によってホワイトベースは奇襲を受ける。おびき出されたガンダムはコンスコン部隊と一戦交えるが痛み分けとなる。
この戦いを中止させたのがミライの婚約者、カムラン・ブルームだった。サイド6のランク政権の代表使節としてコンスコンを退けたカムランだったが、それはミライの存在があってのことだった。
しかしミライにとってカムランは許すことが出来ない人間だった。連邦政府の要職にあった父も持つにも関わらず、開戦と同時にサイド6に逃亡したのは明らかにジオンと通じている。そんな生き方がミライには許せなかった。
カムランは南極条約を破ってでもホワイトベースに補給と修理をと申し出て、実際それは行われた。
だが、コロニーの外、公海のドッグでの修理ということになった。それはコンスコンにとって絶好のチャンスだった。
一方、アムロたちは町に出て買い物を行う。そこでアムロはシャアとすれ違い、父親であるテム・レイと再会する。
しかし、ゆっくりと語る間もなくアムロはホワイトベース防衛に任に着く。
そしてガンダムはコンスコンのドザムと接触する。
第34話 戦火に咲く 赤い花
ドザムとガンダム・チームの戦いは熾烈を究めた。それはサイド6に生中継されていた。シャア、テム・レイ、そしてカムランもその中継を見る。
ガンダムはコンスコン機動部隊を全滅させた。チベとムサイは後退した。
ホワイトベースに駆けつけるカムランだったが、ミライは許そうとはしない。負傷したスレッガーに気を病むミライを見て、カムランは自分にはこんなことしか出来ないと、アムロたちをサイド6内で休ませる。
アムロはテムに戦いを批判された。父の姿に昔の精彩は無かった。酸素欠乏症による障害が出ていたのだ。「かあさんのこと・・・」そういうアムロの言葉もテムには届かない。
その後、アムロにとって重大な事件が起こった。ひとりの少女との出会い、シャアが連れた少女、後にアステロイド・ララァとなるララァ・スンと出会ったのである。透明なブルーの髪を持つララァとアムロはその目が会った瞬間、運命の全てを感じ取ったのかも知れない。
アムロは目眩を感じていた。ララァの温かさがアムロの知能の芯に触れて微笑が浮かんだ。
彼女を連れているのはシャアだった。これがアムロとシャアが知らずに出会う最初である。
シャアはアムロの名前に不思議と既知感を感じた。シャアの言葉は温かかった。ただのジオンの軍人だと名乗るシャアは、アムロに握手を求めた。
第35話 ソロモン 激進
アムロの反応にシャアも何かを感じた。だが、シャアは、衝動をおさえるのに必死であった。ララァの手前、そんな姿を見せることが出来なかった。それよりもララァは、シャアのその衝動を知っていた。
ララァの髪の毛が、総毛立つ。
ミライとカムランの別れは冷たく終わる。ホワイトベースはテァンム司令の命令で、ルナツー司令のワッケイン少佐の部隊と接触して、ソロモンに総攻撃をかける、それに参加することになった。
マゼラン、ホワイトベース、3隻のサラミスと補給艦コロンブスはソロモンの正面から進攻する。
作戦指揮官としてトワレ大尉がホワイトベースに乗る。テァンム大将麾下の主力部隊はソロモン後方から進攻、ガンダム量産型モビルスーム三十機が投入された。
Gスカイが陽動に出て、サラミスが突入、モビルスーツ部隊の降下、マゼランの砲撃。そしてガンダムの降下。ソロモンは半壊した。
ドズルは妻子を逃がすと自らビグ・ザムに乗り込んだ。
第36話 陥落 ソロモンの雄
キシリアは、ララァをはじめとする新戦術の準備を行っているシャアの代わりにマ・クベをソロモンの援助に向かわせた。戦略家でないマ・クベのためにハムロ少佐をつける。ドズルの妻子を救出するもののソロモン陥落を目の当たりにすることになった。
ガンダムタイプの陸戦隊=レンジャーが肉弾戦を展開する中、アムロはガンダムで基地深くに潜入する。作戦の要、敵の主力を撃つ。それはビグ・ザムとガンダムとの対決となった。カイがキャノンで援護し、スレッガーは自らの命と引き換えにGパーツをガンダムの楯となった。
その結果、ドズルは生身で放り出される。それでもドズルは狂気をもって小銃をガンダムに向けた。アムロはドズルを討つ。そこに感じたものは恐怖だった。
ソロモンを撤退した艦艇がキシリアの基地がある月へと逃亡する。
ソロモンの戦いは連邦軍の勝利で終わった。しかし、スレッガーの死にミライは号泣する。
第37話 バロムの罠
キシリア少将は、マ・クベとバロムに連邦軍追撃部隊の殲滅を命じる。マ・クベは特注してあったモビルスーツ、ハクジ(剣技モビルスーツ)を受け取る。シャアはマ・クベを亡き者にするため、バロムと謀議を持つ。サイド4におびき出す作戦だった。
マ・クベ隊はホワイトベースと接触し、バロムはチベをホワイトベースに向け、サイド4を背景に宇宙突攻用モビルスーツ、ドワッジ数機で強襲をかける。
Gパーツで発進したアムロらはホワイトベースに攻撃が当たらないように戦う。
アムロとバロムの戦いは次第にサイド5に移っている。
一方、ホワイトベースはチベと交戦し危機に陥るが、それをワッケインがマゼランで救出する。
バロムはシャアとの約束を果たすため、ドワッジをサイド5、テキサスの中に向かわせる。アムロとバロムとの戦いは刺し違える形で終了した。損傷を受けたガンダムで、どうやってホワイトベースと接触するか。
その頃、シャア、ララァ、そしてエスパー研究者フラナガン博士の三人でテキサスに潜入していた。
第38話 テキサスの攻防
シャアの目的はマ・クベを討つだけでなく、ララァに戦いを教えること、そしてフラナガンにララァの脳力をモビルスーツに伝達するシステムを完成させる、ということであった。
アムロはテキサスが無人でないことに驚いた。遊牧民のような生活をする人々がいたのである。
そこでカスバル・ベイリーというジオンを憎悪する十七歳の少年と出会う。彼の情報でザンジバルがテキサスに入港していることを知る。アムロは危険を承知で港に潜入した。
シャアはマ・クベを挑発してガンダムを討たせようとする一方、自ら重火砲タイプモビルスーツ、ギャンで出撃する。
そして再会する。アムロ、そしてシャア。
その時、マ・クベがテキサスに到着する。そしてハクジに搭乗し、ガンダムと対峙する。
だが、シャアはマ・クベに罠を仕掛けていた。シャアの罠とガンダムの攻勢によってマ・クベは散る。
カスバル・ベイリーはアムロに自分を連れて言ってくれと頼む。アムロはブライトが承知するならとそれを受ける。だが、軍人になったからって恨みなど晴らせないことを言う。
ララァはシャアに心酔していた。そして自分の能力が新しい時代の幕開けになることを承知していた。
シャアの命令によって゛フラナガン機関はニュータイプの人間のリスト・アップをし、電気的に能力の拡大を図るシステムの最終テストを行っていた。
第39話 シャアとセイラ
キシリアの命によってシャアはマ・クベ討伐隊を統合する。ホワイトベースはガンダムとアムロ救出のためテキサスに潜入する。しかし、シャアと部下ジン・ライム曹長のドワッジに妨害される。
シャアは、ララァ、そしてソフィアをテキサスから脱出させねばならなかった。しかしワッケインのマゼランに妨害される。
この三つ巴の戦いの中、アムロはシャアのギャンを破壊することに成功する。
そしてテキサスの荒野に逃れたシャアは、そこでアムロを救出に来たセイラと出会う。やはり兄弟だった。
シャアとセイラの会話
(シ)父がジオンを創ったのも、人類を救うためだった。それを、ザビは、独裁国家にした。もう一つの理由は、父の味方だった人々を暗殺した。
(セ)だからといって、あなた一人で、ザビ家に対しての恨みを晴らそうとして、何が残るの?
(シ)この戦争を早く終わらせる事はできる。ギレンという男は、用心深い男でな。私ごときでは、近付けんのだ。
(セ)本当のシャア・アズナブルという人。私は知っていたわ。
(シ)彼とて暗殺されたらしいから、私が名前を貰った。
(セ)……!?うそでしょ?
(シ)木馬にいるのはやめろ。地球へ密入国できるくらいの金はおいていってやる。私のザンジバルが脱出する時に。打倒、ガンダムの手段を選ぶわけにはゆかなくなっているのでな。
(セ)それも、恨みで?
(シ)違うのだ。男としての意地。プライドだ。……もっと違うな。ガンダムのパイロット……ア、アムロか?奴の意志が、私を刺激する。ララァもそう言っていた……
(セ)ララァ?
(シ)……金は受け取れ。地球へ戻るのだ。
と、シャアは逃亡する。
二人の会話を途中からブライトに聞かれてしまう。
アムロはガンダムで、ライム曹長のドワッジを殲滅したが、おかげでシャアのザンジバルはテキサスを脱出した。ワッケインのマゼランもザイジバル追撃は出来なかった。
セイラはカスバル・ベイリーに港で見つけた小包を渡された。その中身はシャアからの金だった。
ブライトは立ち尽くすセイラに出港を告げる。逡巡するセイラに声をかけたアムロは、セイラの別の顔をみた。ハヤトは怪我をして、フラウが大騒ぎする。
第40話 シャリア・ブル 激進
ギレンは木星帰りのシャリア・ブルと会い、ガンダムのパイロットがニュータイプであることを告げる。
シャリア・ブルはモビルスーツ、ゲルググを受け取る。
ブライトはセイラに不信感を持った。セイラも沈んでいた。アムロはそんなセイラに興味を持つ。
セイラもアムロを対等な相手としてみるようになってきた。
「大人ね。何が変わったの?」「戦場慣れでしょ?きっと……」
シャリア・ブルはシャア、ララァと会う。その時、ララァの脳波を通してシャアの心が読めた。シャアの正体を知るシャリア・ブル。二人の能力は判るがそれはジオンにとって不吉なものだった。
シャリア・ブルはゲルググでワッケインのマゼランを沈めた。ワッケインの死。
防戦するアムロはゲルググの中に全く異なる人間を見た。アムロの予知能力ともいうべきものに感応の目覚めが起こったのである。アムロはニュータイプの種になった時、それらの意志を消すという戦術で、ゲルググを倒した。
その戦いを見てララァは言う。あれは敵にしてはならない人、けど戦いの中でもっと成長したい。あの少年の意志の力を越える自身がある、と。
第41話 ルナツー防戦
連邦軍がルナツーに進攻したこと、そしてシャリア・ブルが討たれたこと、これにギレンは驚愕し、キシリアの月基地、グラナダに降り立つ。ギレンはキシリアに言う。連邦の進撃が始まろうとしていること、そして新人類が誕生しつつあること。新しい、進歩が連邦から生まれる。ガンダムを倒すにはニュータイプ部隊を作って差し向けねばならない。
ガンダムはシャアに任せて、キシリアは三隻の新型戦艦グワジン、宇宙空母ドロス、チベ、ムサイ等の艦隊で発進する。
ホワイトベースはルナツー司令ハムスキー提督の極秘司令によって、隕石群集積エリアに潜み、ドロスを攻撃する。
キシリア艦隊は偵察に勇将ダルの山越えハンマーという武器を持つガッシャ、そしてグフタイプ二機を発進させる。
ダルにキャッチされたホワイトベースでは、セイラが自分を吹っ切るためにガンタンクで出撃する。さらにカイのガンキャノン、ハヤトのGパーツで援護するが、ガッシャの山越えハンマーは隕石の影から狙い撃ってくる。セイラの危機にアムロは危機を予知する能力を発揮し、ガッシャを殲滅してセイラを救った。
ルナツーの艦隊が発進し、ガンダム量産型GMとジオンのモビルスーツが激突する。ガンダムは空母ドロスの腹にもぐり込み、これを殲滅した。
キシリアは撤退する。アムロは負傷したセイラを見舞う。その時、マチルダの言っていたエスパーという言葉を思い出す。
第42話 グラナダへの道(シャアの敗北)
セイラはシャアの金を、兄への惜別の意味を込めて一枚だけ抜き取ると、みんなに分けた。
ルナツーで補給を受ける中、アムロはララァに呼ばれた。Gスカイを発進させるアムロ。そこでアムロはエルメスを見た。アムロは危険を感じて撤退する。が、シャアが駆るモビルスーツ、キケロガが襲う。おびき出されたのである。
だが、シャアはキケロガのパワーを持ってしてもガンダムを討ち取れぬことを悟った。
そしてガンダムの機動力も、アムロの反射神経について行けなくなっていた。
そこに男が現れる。モスク・ハン博士。帯電磁波の工学的応用の権威でガンダムのメカを電磁で包み、より素早くなめらかに動かす改装を行った。この技術はソフィアという男の理論をテム・レイが流したものだった。
「父は生きているのですか?」
だが、テム・レイはフラナガン機関に殺されていた。
このモスク理論の応用によって、シャアのキケロガを殲滅した。間一髪、シャアはララァのエルメスに救出される。
連邦軍艦隊はグラナダへと向かう。シャアを鬼子といい、救出されたことを本心から残念に思うセイラに対し、ブライトのわだかまりも消えていった。
第43話 グラナダ陥落
シャアは何とかグラナダへと辿り着いた。連邦の攻撃も始まり、ホワイトベースもグラナダへ攻撃をかける。
出撃するというララァをシャアは止めた。エルメスはドクが出来て初めてその能力が発揮される。
キシリアの指揮するアッザム改も、シャアの手によってGMの大半を殲滅した。
カイ、ハヤト、セイラも奮戦する。ハヤトの決死の活躍によってアッザム改の弱点を発見する。アムロは総力をあげてガルバルディを殲滅させる。
キシリアはシャアに言う。恨みを晴らしたいなら一太刀なりとも加えたらどうか? キシリアは気付いていた。シャアの正体を。そしてその通りシャアは、キシリアを刺した。キシリアは死ぬ。
シャアはララァを連れてグラナダを脱出する。
ギレンは月が落ちたことに歯噛みする。デギンはギレンを呼び、和平を提案する。だがギレンはそれを一蹴する。その自信はシャア生還の事実ともう一つの計画によるものだった。
第44話 エルメスのララァ
グラナダを占拠した連邦軍兵士の間に恐怖が広がった。ジオンの小型モビルスーツにパイロットが悶死するという。その恐怖の声はホワイトベースにも届いていた。
ララァ、唄うようであり、恐怖を孕んでいるその声。それは新造戦艦アメリゴが撃沈された時の叫びだった。
アムロはひかれるように出撃する。セイラ、ミライはアムロの行動がアムロと連邦にとっての危機であるとことを悟る。セイラはカイ、ハヤトを促しアムロを追う。ミライはブライトを説得した。
ガンダムはエルメスとドクの攻撃によって危機に陥っていた。セイラの決死の防戦によって、エルメス本体を月の地中基地に見出した。ドク数体を殲滅させ、セイラを救出したアムロはエルメスへと向かう。セイラは重傷を負いホワイトベースに帰還する。
第45話 遭遇!ララァ
Gブルで月の地中基地を進むアムロには、ララァのエルメスが自分をターゲットにしていることをはっきりと感じ取っていた。
一方、ギレンとの会談を終えたシャアは、半エスパーのパッカデリアを連れてララァを追う。パッカデリアはシャリア・ブルの部下だっというガルバルディに乗る少年だった。
カイ、ハヤトらはシャア、パッカデリアを迎撃する。
地中深く、ガンダムとエルメスは相まみえる。だが、その理由が見出せない二人の意識が合流し、二人の間に調和が生まれた。疑問、推論、そして二人で垣間見た一つの未来。
〜力を示せよ。次なる人はその力、見て、範とする〜
それは神の声なのか?二人して疑問を発した時、
パッカデリアが侵入する。アムロ、そしてララァを討とうとするパッカデリアの意志はシャアにも理解出来た。「シャア大佐!ララァは危険です!私には聞こえた。敵の少年とざれ合うララァを!」パッカデリアが操るガリアブにカイ、ハヤトらは翻弄されるが、パッカデリアのガリアブを何とか殲滅した。
シャアはガルバルディでララァの指示を仰ぐ。ガンダムを討つ為にはそれしか無かった。ララァはアムロが敵ではなく仲間であると認識していた。だが、慕うシャアの要求をはねつける事は出来なかった。
だが、シャアはララァの予知に対応することが出来ず、その焦りがアムロに隙を作る結果となった。
シャアに止めを刺そうとしたアムロに、一瞬、憎悪したララァはそれを救うためにアムロの一撃を受けて散った。
第46話 デギンの降伏
ララァとの調和によって見た夢はアムロを疲労させた。フラウはハヤトやカイの手当てで手一杯で、アムロに構っていられなかった。
シャアは帰国し、初めてギレンと会う。ガンダムの危険性を訴え、ゲルググとジオングの使うよう進言する。
戦力が伸びきっていた連邦軍はホワイトベースに、ジオン制空圏内偵察を命ずる。任務遂行中のホワイトベースにグワジンタイフの艦、デギンが接触した。
そしてデギン・ザビ本人と文官であり秘書のクスコ・アルがホワイトベースに移乗してくる。ブライトはクスコに惹かれる。
公式の会談が開かれた後、デギンはセイラと語り合う。母親のトアのこと、そして父親ジオン・ダイクンのこと。
戦艦デギンを連邦に向けようとした時、ギレンの意を受けたタブローのキケロガ部隊が襲撃してくる。
大部隊であったが、ガンダム・チームによってそれを撃退する。だが、デギンは死亡し、戦艦もキケロガ部隊とと共に散った。ひとりブライトはクスコ・アルを救出したことを神に感謝する。
第47話 ジオン最終兵器を探れ
ブライトは情報の検証とともに、クスコ・アルの怪我の心配のため眠れなかった。だが、アムロはクスコが危険だと直感する。アムロの能力を知っているブライトは気をつけるとアムロに告げる。
ホワイトベースはジオンの中に不明な宇宙船の動きをキャッチした。
それは38バンチのサイドから無数の宇宙船が発進する様だった。アムロとハヤト、カスバル・ベイリーは、古い型のサイドへと向かう宇宙船群を探るためGブルを隠して潜入する。そこは放棄されたサイドだった。ジオン国民は何も聞かされていなかった。アムロ達は38バンチに直接潜入することを決意する。
だが、38バンチは強力な軍が展開し、発見されたアムロたちは新鋭モビルスーツ、ガラバに追われる。苦戦の末にパイロットを捕らえたアムロだったが、その大佐は、ソーラ・レイ作戦という名前以外、実態は知らないという。
シャアは自分の新モビルスーツ、ガラバの受領に行く。それはゲルググ、そしてジオングというニュータイプ用モビルスーツの性能を知るためでもあった。
第48話 ジュピター船団を撃つ
シャアはギレンに、ダルダンよりも優れたゴラをゲルググに乗せることを上申する。それを拒むギレンをシャアは本当に俗物だと思う。ソーラ・レイの計画によってギレンは勝利を確信していた。そんなギレンをシャアは殺そうと思った。だが、ガンダムを倒すモビルスーツはギレンがいてこそ出来るものだった。
ギレンはいつでも倒せる。出来ればガンダムのアムロに快哉を叫びたい。だが、仇討ちにこだわり、子供に対して競争心を消すことができない、そんな自分も俗物なのではないか。シャアはそんなことを思う。
ヘリウム3を運ぶ船団が木星から帰国する。それが殲滅するということはジオン軍の三分の一の戦力を失うことを意味する。
ホワイトベースはマゼラン二艦、十二機のモビルスーツとともに、木星船団を襲撃する。
これをジオンに知らせるため、クスコは脱出を図る。それを追うブライト。そしてブライトはクスコを射殺する。一方、ホワイトベースは旗艦ジャワの司令で動いた。艦長代理はミライだった。
木星船団の援軍としてダルダンのゲルググが駆けつける。だが、ダルダンはゲルググを扱いきれていない。ゴラはゲルググに乗り込もうとするが、一歩早く、ガンダムがゲルググを殲滅させる。
だが、ゴラの意志にアムロは恐怖し、それがアムロをニュータイプとして開花させ始める。
第49話 ソーラ・レイ パートT
ゴラはゲルググから脱出した。ゴラはシャアの正体を暴露したが、ギレンは意に介さず、シャアにガラバをゴラにジオングを与える。そしてソーラ・レイの発動。
ホワイトベースが補給を受けていた。連邦軍は既に動き出している。補給を急いでいた。
その時、宇宙に光が走ったように感じられた。見えるわけがないのに!そして連邦軍宇宙攻撃隊の大半が壊滅した(これを表現するストーリーが要るわけだ)。
ギレンは狂気した。勝利を確信したギレンはシャア、ゴラに残存兵力の殲滅を命令する。
ジオングのゴラとガンダムのアムロ、二人のニュータイプはわずか30秒前の予知能力の駆使して戦い、そしてアムロはそれに勝った。だが、疲弊したアムロは断定する。これはニュータイフのすることではない。ララァの時とは違う。あの時は調和があった。
第50話 ソーラ・レイ パートU
レビル将軍が宇宙に復帰する。なぜ連邦軍が殲滅したのか。その答えは38バンチにある。そこに向かったアムロは待っていたガラバのシャアと戦う。
残存兵力を糾合したレビル将軍麾下の戦力は進攻しつつあった。それまでに謎を突き止めなければならない。
シャアは自分自身への不安を持ちながらもアムロと戦い続ける。それはシャアもニュータイプだと言えるものだった。そして二人は共感していた。
アムロは目撃する。ソーラ・レイの第二弾が発射されたのを。それはレビル将軍を含めた戦力を一瞬にして消滅させた。
アムロは絶叫する。シャアもたじろぐ。そのためガラバは破壊されシャアは敗れた。アムロたちは勢いに乗って38バンチを破壊した。
シャアは生き残った。だがセイラは感じていた。シャアは、すでに、死者に等しいと!それはセイラにニュータイプとしての能力があることを示していた。
第51話 ジオン殲滅 パートT
瀕死のシャアはジオンの首都に帰る。余裕のギレンにシャアは、「あなたを討つのは、彼ですから」と言い放つ。シャアは己にミスがあったとすればソーラ・レイのアイデアを語ったことだと思う。
数隻の艦隊がジオンの中心へと向かう。レビルの最後の軍令、総突撃を実行していた。アムロも判った。目の前の敵ではない。国家の指導者を討たねば戦いは終わらない。
ギレンを討つ。だが包囲網の数を絶大に多い。
そしてギレン自身もグワジンで出撃する。連邦の戦力は副無い。これを自らの指揮で壊滅させ、ザビ家一党の力を示す。それがギレンの野望であった。
激戦の末、ホワイトベースはグワジンと接触する。そして戦いは要塞都市、ア・バオア・クーへと移った。
ガンダムもボロボロだった。無数の戦艦を沈め、ア・バオア・クーへと辿り着いた。アムロは叫び続ける。敵は、一人だ、ギレンだけなんだ。そしてカスバル・ベイリーが死ぬ。アムロの本当の意味での部下だった。アムロはその責任を痛感する。
第52話 ジオン殲滅 パートU
ア・バオア・クーに逃げ込んだギレン。それが一艦と一機のモビルスーツによるものだとは認めたく無かった。
シャアは重体をおしてア・バオア・クーへと向かう。
ホワイトベースは大破し、各員は白兵戦に巻き込まれる。ガンダムはア・バオア・クー最後の防衛網ギガン(モビルスーツと地上砲塔のあいの子)を撃ち倒し、そして大破する。襲いかかるギレンの親衛隊をアムロは拳銃一丁で戦い続ける。傷ついたアムロだが、ギレンを倒すという、全員の想いを胸に走る。シャアもその傍らで走っていた。そしてブライトが叫んだ。ギレンはここだ。ドアを打ち破るが、ブライトが倒れる。そしてセイラ、ミライも一緒に走る。アムロはララァの声を聞く。ララァとの調和。その声をセイラ、ミライも聞いた。ギレン親衛隊の攻撃によってセイラ、ミライ、シャアは倒れる。
そして、アムロはギレンと相まみえた。ギレンはア・バオア・クーが自爆することを告げる。アムロはそれが一分三十秒後であることが判った。アムロをニュータイプだと認めるギレンを、アムロは射殺する。ギレン親衛隊はアムロを銃撃するが、アムロは逃げろと叫んだ。
アムロも倒れた。ララァが呼びかける。新しい時代に行こうと。
アムロは苦しむホワイトベースのみんなの姿が見えた。ララァと見たものを伝えるため、破壊されたガンダムに辿り着く。
ブライト、ミライ、フラウと子供達、カイ、ハヤト、リュウ、そしてシャアとセイラ。アムロに呼ばれるまま、ホワイトベースに向かう。
そしてギガンの末梢神経ともいうべき系を切りガンダムは翔んだ。ボロボロのホワイトベースから歓声が上がる。全員が脱出した後、ア・バオア・クーは爆発した。
脱出した仲間たちは、ララァの意志とアムロの意志とが見た新しい世紀に向けて出発する。人は種の変改期を迎えつつあるのだ。
アムロとララァはそれを予見した。宇宙世紀0080
「……ララァ……遊ぼうね。明日……。」
アムロは、混濁する意識の中で言った。
宇宙世紀0080、1月3日。
地球連邦政府とジオン共和国との間に、和平協定が成立した。
〈完〉
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参考、出典
機動戦士ガンダム メモリアルボックスPart-1、2 ブックレット
著作権表示
創通エージェンシー・サンライズ
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